端末位置情報とフレーム単位でのAP選択的利用による無線LANスループット向上手法の基礎評価

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抄録

Wi-Fi を利用した端末の増加やコンテンツ容量の増加によるトラフィック増加が今後も続くことは容易に想像でき,そのための無線 LAN の通信容量確保が重要な課題である.無線 LAN アクセスポイント (AP) の通信カバー範囲を小さくし高密度に設置することで,無線 LAN の空間面積あたりの通信容量を向上することが可能である.複数の AP が同一のチャネルを用いて近くで通信を行うと電波干渉により通信容量がうまく向上しないが,そのような AP 同士のチャネルが異なるように設定することで回避できる.しかしチャネル数には限りがあるため,必ずしも隣接する AP 同士が異なるチャネルで通信できるとは限らず,AP を多数設置しても際限なく通信容量を増やせるわけではない.さらなる通信容量向上のためには,同一チャネル上で効率的な通信を行うための管理 / 制御が重要となる.本稿では,過去に提案した単一チャネル上で空間利用効率を更に向上させるために,端末と通信を行う AP を動的に変更し,下り方向のフレームをスケジュールすることで,空間あたりの同時通信端末数を向上させる手法 [4] の改善と詳細なシミュレーション評価を行った.提案手法では AP を管理 / 制御する集約器を導入し,全ての AP は集約器を通してネットワークに接続される.また集約器は可視光通信によって端末の位置を取得し,その位置情報を用いて単一チャネル上で電波干渉を受けず同時にエラーなく通信可能な AP の組み合わせを導出する.集約器はこの結果に基づき,より多くのフレームが同時に通信されるよう下り方向のフレームのスケジュールを行う.シミュレーション評価により,提案手法は一般的な無線 LAN に比べ 10%程度スループットが向上することを示した.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1570572702940524928
  • NII論文ID
    110009815646
  • NII書誌ID
    AA11851388
  • ISSN
    09196072
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • CiNii Articles

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