本邦における拒絶に対する過敏性の特徴の検討 : 非定型うつ病における所見

書誌事項

タイトル別名
  • Feature of Interpersonal Sensitivity in Japan : Findings in Atypical Depression
  • ホンポウ ニ オケル キョゼツ ニ タイスル カビンセイ ノ トクチョウ ノ ケントウ : ヒテイケイ ウツビョウ ニ オケル ショケン

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抄録

本研究の目的は,他者からの拒絶に対する過敏性(以下,拒絶に対する過敏性)を測定する尺度であるInterpersonal Sensitivity Measure(IPSM;Boyce&Parker,1989の日本語版(J-IPSM)の信頼性および妥当性を検討し,本邦における拒絶に対する過敏性の因子構造について明らかにするとともに,非定型うつ病患者のうつ症状との関連を検討することであった.まず,尺度の信頼性・妥当性を検討するために大学生301名を対象に質問紙調査を行った.因子分析の結果,J-IPSMは「関係破綻の不安」,「他者を傷つける不安による非主張性」,「批判されることへの懸念」,「社会的自己像と真の自己像の不一致」,「他者評価追従」の5因子,27項目から構成され,内的整合性は高かった(α=0.78〜0.91).さらに,類似概念である「対人的傷つきやすさ尺度」(鈴木・小塩,2002)と強い正の相関が示され,J-IPSMは十分な信頼性・妥当性を備えた尺度であることが示された.次に,うつ症状との関連を検討するため,非定型うつ病患者を対象に質問紙調査を行った.その結果,J-IPSMにより測定される拒絶に対する過敏性とうつ症状との間に強い相関が認められた.

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 54 (5), 422-430, 2014

    一般社団法人 日本心身医学会

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