振動刺激による運動錯覚時の脳内神経活動および機能的連関

DOI
  • 兒玉 隆之
    京都橘大学健康科学部理学療法学科
  • 中野 英樹
    畿央大学大学院健康科学研究科ニューロリハビリテーション研究室
  • 大住 倫弘
    畿央大学大学院健康科学研究科ニューロリハビリテーション研究室
  • 森岡 周
    畿央大学大学院健康科学研究科ニューロリハビリテーション研究室
  • 大杉 紘徳
    京都橘大学健康科学部理学療法学科
  • 安彦 鉄平
    京都橘大学健康科学部理学療法学科

書誌事項

タイトル別名
  • EEG Analyses of Source Localization and Functional Connectivity of Kinesthetic Illusion Elicited by Tendon Vibration

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抄録

【目的】振動刺激によって脳内に惹起される運動錯覚が脳機能へ及ぼす影響を,脳波Rolandic alpha rhythm(μ波)を用いたexact Low Resolution Brain Electromagnetic Tomography(eLORETA)解析により検討することを目的とした。【方法】対象は運動障害・感覚障害を有していない健常者20名。方法は安静時,振動刺激時,自動的な筋収縮運動(自動運動)時,振動刺激や運動を伴わない感覚刺激時のそれぞれの条件下にてμ波を計測し,それぞれの脳活動部位および機能的連関をeLORETA解析により比較検討した。【結果】振動刺激時は,安静時および感覚刺激時の条件に比較し感覚運動領野上のμ波が有意に減少し,本領域での半球内および半球間における有意に強い機能的連関を認めた。自動運動時との比較では,感覚運動領域上のμ波,さらに感覚運動領野の機能的連関に差を認めなかった。【結論】振動刺激がもたらす運動錯覚の感覚運動情報処理には,感覚野のみならず,一次運動野を中心とする運動領野の機能的ネットワークが基盤となっていることが示唆された。

収録刊行物

  • 理学療法学

    理学療法学 41 (2), 43-51, 2014

    公益社団法人日本理学療法士協会

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