一般成人における不眠症状と性差について

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  • Gender difference in insomnia : A Japanese nationwide general population survey

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抄録

目的:不眠は女性に多くみられることが疫学研究では指摘されているが,不眠の症状亜型と性別の関連については十分に検討されていない.今回,日本全国の一般成人を対象に,不眠(入眠困難,中途覚醒,早朝覚醒)の有病率を調査し,不眠の症状亜型と性差の関連を検討した.方法:調査は日本大学こころの疫学プロジェクトの一環として,2009年8月〜9月に行った.全国から無作為抽出した対象に対して,訓練を受けた専門の調査員が自宅に訪問し,調査の趣旨を文書で提示し,口頭にて同意を得て,対面調査を行った.過去1カ月の入眠困難,中途覚醒,早朝覚醒を質問し,週3回以上を不眠症状ありとした.多変量ロジスティック回帰分析により不眠の症状亜型と性別の関連を検討した.結果:20歳以上の成人2,559名から回答が得られた(回答率54.0%).入眠困難は7.2%(男性5.5%,女性8.5%),中途覚醒は15.2%(男性13.4%,女性16.6%),早朝覚醒は5.2%(男性5.3%,女性5.0%),いずれか一つの不眠ありは18.8%(男性17.0%,女性20.3%)にみられた.入眠困難,中途覚醒,不眠ありは,女性に有意に多くみられた.社会人口統計学的要因により調整した多変量ロジスティック回帰分析では,入眠困難のみが女性に有意に多くみられた.考察:不眠の性差においては入眠困難が重要な役割を持つことが,大規模一般人口データで明らかとなった.

収録刊行物

  • 女性心身医学

    女性心身医学 19 (1), 103-109, 2014

    一般社団法人 日本女性心身医学会

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