ラット肝化学発癌過程における cyclophilin B の発現変化

書誌事項

タイトル別名
  • Alteration of expression of cyclophilin B in the rat chemical hepatocarcinogenesis
  • ラット カン カガクハツガン カテイ ニ オケル cyclophilin B ノ ハツゲン ヘンカ

この論文をさがす

抄録

 Solt-Farber 法にて発現誘導したラット肝前がん病変での cyclophilin B (CyPB) の発現変化について CyPB に対するペプチド抗体を用いて解析した.Diethylnitrosamine (DEN) を腹腔内投与後,2-acetylamino-fluorene (FAA) を経口投 与し部分切除を行った群において,部分切除3週より特異的な腫瘍マーカーである GST-P の強力な発現誘導が認められ,前がん病変の形成を確認した.抗N末端抗体は正常ラットおよび化学発癌を施行した肝臓および精巣に分子量約20 kDaのバンドを認め,そのバンドは CyPB であることが推定された.前がん病変での CyPB の発現は肝切除後1週から上昇し, 6週まで発現量は約2倍であった.また,血清での CyPB の発現は肝での発現から遅れて4週より徐々に上昇し7週で約1.6倍であった.以上から, CyPB は肝癌の腫瘍マーカーの候補の可能性が示唆された.

収録刊行物

  • 弘前医学

    弘前医学 65 (2-4), 164-172, 2014

    弘前大学大学院医学研究科・弘前医学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ