農村部の一人暮らし高齢者における自立の意味に関する記述的研究

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  • Descriptive Study on the Meaning of Independence in the Elderly Living Alone in a Rural Community

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抄録

【目的】農村部の一人暮らし高齢者における自立の意味を明らかにするとともに,今後の地域における支援のあり方について示唆を得ることとした.【対象】A県a村の一人暮らし高齢者16名(プライマリーインフォーマント)ならびに専門職10名(キーインフォーマント)の計26名である.【方法】マイクロエスノグラフィーを用いた質的記述的デザインである.データ収集は「農村部の一人暮らし高齢者における自立の意味」を主題とする半構成的面接法にて行い,データ分析は全逐語録等を用いた質的帰納的分析法により展開した.【結果】農村部の一人暮らし高齢者における自立の意味として,主要な2テーマ,すなわち《自己の意志と生活の尊厳を保持すること》《自分が生きてきたむらの自然や人とともにあろうとすること》が抽出された.さらに前者の下位には<自分自身の意志をもつこと><アドバンスディレクティブスがあること><自らに役割と仕事を課すこと><自ら生計を立てる信念があること><一人暮らしに足る生活手段を有すること><現状を受容し情緒的に自立すること>が,また,後者の下位には<むらの慣例を尊重すること><集落共同体意識をもつこと><狭小の集落で生活を営んでいくこと><自然環境を受け入れ共生していくこと>が抽出された.【考察】農村部の一人暮らし高齢者における主要な自立の意味を勘案し,具体的な支援プログラム開発へと発展させることが必要である.

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