トラマルハナバチ巨大巣の記録,特に巣の構造,コロニー構成とコロニーサイズ(ハチ目,ミツバチ科)

書誌事項

タイトル別名
  • Notes on the nest architecture, colony composition and colony size of a large nest of Bombus diversus diversus (Hymenoptera, Apidae)
  • トラマルハナバチ キョダイ ソウ ノ キロク トクニ ス ノ コウゾウ コロニー コウセイ ト コロニーサイズ ハチモク ミツバチカ

この論文をさがす

抄録

2007年10月に栃木県大田原市で発掘したトラマルハナバチの巨大巣の営巣習性などについて,次の点が明らかになった.1)営巣場所は地下の腔所で,巣の表面はワックス製の内被で被われていた.2)バッチ間の結合は極めて弱く,バッチ配置は不規則であった.3)発掘時の生存虫数は,成虫296個体,繭内幼態(前蛹,蛹及び未羽化の若蜂)254個体,幼虫107個体,卵41個,計698個体であった.4)コロニーサイズを総繭数で示すと1766個で,これは日本産マルハナバチ類のなかでは最大の記録である.5)女王繭数は273個で,オス繭は少なくとも310個生産されたので,生殖虫の繭数は総繭数の33.0%であった.6)女王幼虫室にも花粉ポケットがつくられ,多量の花粉蜜塊が蓄えられることが初めて確認された.7)死こもり繭数は31個で,死亡率は総繭数の1.8%であった.8)本種の重要天敵であるミカドアリバチの寄生は見られなかった.これらの結果から,本コロニーは順調に発達したもので,トラマルハナバチは極めて高い生産力をもっていると推測される.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ