翅の幾何学的形態測定学的手法に基づく種間および種内変異の査定 : フタクシショウジョウバエ種複合体を例として

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タイトル別名
  • Inter and intraspecific variation assessed by wing geometric morphometrics : the Drosophila bipectinata species complex
  • ハネ ノ キカガクテキ ケイタイ ソクテイガクテキ シュホウ ニ モトズク シュカン オヨビ シュナイ ヘンイ ノ サテイ フタクシショウジョウバエシュ フクゴウタイ オ レイ ト シテ

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抄録

標識点に基づく幾何学的形態測定学のアプローチを用い,D. bipectinata種複合体4種間,およびそのうちの2種(D, bipectinataとD. parabipectinata)の地理的個体群間における翅の「形状」の違いを調べた.解析には,ボゴール,台北,琉球列島,鹿児島から採集された731個体を用いた.ボゴールより採集された本種複合体の4種間では,翅の「かたち」には有意な差が見られ,73%の分類成功率で種が識別された.しかし,完全に識別することはできなかった.これら4種についてのマハラノビス距離に基づいた非加重結合樹は6つの核DNA領域に基づく系統樹とは一致しなかった.ボゴールと台北より採集されたD. bipectinataとD. parabipectinataについての解析では,種間の変異より,地理的変異が大きかった.また,D. bipectinataにおいては,ボゴール,台北,琉球列島-鹿児島の個体群で翅の「形状」が異なっていた.これらの結果に基づき,幾何学的形態測定学の分類学への応用,また本種複合体における翅の変異について考察した.

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