非免疫不全例に生じた糞線虫過剰症候群の1例

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  • An Immunocompetent Patient with Strongyloides Hyperinfection Syndrome

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抄録

背景.糞線虫症は多彩な症状を呈し,様々な疾患と鑑別を要する病態である.的確な診断がなされず治療のタイミングをはずすと予後不良である.免疫不全状態で好発する感染症であるが,非免疫不全例でも起こり得る.症例.42歳女性.20歳まで南米に在住していた.2013年7月,発熱と呼吸苦を主訴に救急受診した.胸部X線検査で両側肺浸潤影を指摘されるも,炎症反応は低値であった.第2病日に気管支鏡検査を行い,第6病日に気管支鏡吸引液よりフィラリア型幼虫が検出された.イベルメクチン内服治療を開始し,両側胸部陰影と発熱,呼吸苦症状は軽快した.第9病日に退院した.結論.明らかな免疫不全のない状況下での糞線虫過剰症候群を経験した.入院後気管支鏡検査を施行することで病理学的に糞線虫のフィラリア型幼虫を検出でき,速やかに治療することができた.

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 36 (6), 627-631, 2014

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

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