高村光太郎の短歌と美術評論 : 留学直後の作品を中心に

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タイトル別名
  • タカムラ コウタロウ ノ タンカ ト ビジュツ ヒョウロン : リュウガク チョクゴ ノ サクヒン オ チュウシン ニ
  • Tanka and Art criticism of Takamura kotaro : Work of studying abroad after

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抄録

本論は、高村光太郎の短歌について、特に留学から帰国した直後の明治四二、四三年に発表された作品の特徴を検討した。その結果、短歌の表現に、美術理論が取り入れられていく過程を明らかにした。西洋に留学した光太郎は、印象派の新しい色彩の捉え方に衝撃を受けた。そのため、帰国後、「自然を新しく見る眼」を持たない日本人に対して嫌悪感を募らせていた。この嫌悪感は、短歌において「ふるさと」の「少女」を罵倒する方法で表現されていた。しかし、次第に、短歌の中に「自然を新しく見る眼」で捉えた風景描写を表現するように変化している。特に色彩語を使用し、光彩・色彩に焦点を合わせた風景描写を行っていることが確認できた。さらに、光太郎の短歌の表現方法は、印象派の方法を取り入れるようになる。具体的には、光太郎の美術評論『印象派の芸術と思想』の中で述べられている「色調区分」の表現方法を短歌に取り入れていることが明らかになった。

高村光太郎

短歌

美術評論

色彩

印象派

identifier:DB004300007859

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