ある近世小説の試行錯誤 : 都賀庭鐘の仕事をめぐって(<特集>日本文学協会第五一回大会報告(第二日目))

書誌事項

タイトル別名
  • Trial and Error of a "Modern Novel" : What Teisho Tsuga Had Done(<Special Issue>The Reports of the Japanese Literature Association 51st Convention)
  • ある近世小説の試行錯誤--都賀庭鐘の仕事をめぐって〔含 質疑応答〕
  • アル キンセイ ショウセツ ノ シコウ サクゴ ツガテイショウ ノ シゴト オ

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抄録

ここに取上げた都賀庭鐘の「絶間池の演義」(莠句冊第五話)は大坂地方の古代治水譚を、諸史料を典拠として組立てた作品で、幾つかの怪異な話が交えられている。物語はたくみに史料や文献をパロディ化し、総合化しているが、構成が窮屈で、作者の古代批判、呪術批判が折りこまれているために、難解である。しかし、作者には、この話を通して、生活感覚を共有する大坂地方の読者とのコミュニケーションをはかる意図があり、かならずしも成功といえないにしても、作者の考える「小説」の形態の模索を見ることができる。

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 46 (4), 17-28, 1997

    日本文学協会

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