咬合力と下顎骨臼歯部の形態との関係-歯科用コーンビームCTを用いて-

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タイトル別名
  • Relationship between occlusal force and morphology in the mandibular molar region using a dental cone beam CT
  • コウゴウリョク ト カガクコツ キュウシブ ノ ケイタイ ト ノ カンケイ : シカヨウ コーンビーム CT オ モチイテ

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抄録

咀嚼機能は下顎骨のリモデリングに影響を及ぼすと考えられている.すなわち,咬合力は歯から直接応力がかかる下顎骨臼歯部の形態に影響をもたらしていると考えられる.そこで,咬合力と下顎骨臼歯部の断面形態がどのように影響しているか検討した.被験者は欠損歯がなく,矯正治療の既往がない個性正常咬合を有する成人男性20名とした.咬合力は咬合感圧フィルムを咬合させ,収合力測定器を用いて測定し,下顎骨臼歯部の形態は歯科用コーンビームCT装置を用いて撮影した.得られたデータを画像処理計測ソフトを用い,下顎第二大臼歯裂溝から第一小臼歯小窩を結ぶ線に対して垂直なスライス画像を用いて計測した.下顎第一大臼歯の近心根根尖を通るスライス画像を用いて,FH平面を基準に,①根尖を通る下顎骨臼歯部の幅径,②根尖と下顎骨最下点を結んだ中点の下顎骨臼歯部の幅径,③根尖を通る下顎骨臼歯部の皮質骨の幅径,④根尖から下顎骨最下点を結んだ中点の下顎骨皮背骨の幅径,⑤根尖から舌側皮質骨表面までの距離,⑥根尖から頬側皮質骨表面までの距離を計測し,咬合力とこれらの計測項目との間で相関分析を行った.<br>   その結果,咬合力とFH平面を基準とした根尖を通る下顎骨の幅径,根尖から下顎骨最下点を結んだ中点の下顎骨の幅径には正の相関が認められたので,咬合力が強いほど下顎骨臼歯部の幅径は大きくなることが示唆された.また,咬合力は下顎第一犬臼歯根尖部の頬舌的な位置には影響を及ぼさないことが示唆された.

収録刊行物

  • 歯科医学

    歯科医学 78 (1), 1-6, 2015

    大阪歯科学会

被引用文献 (1)*注記

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