気管支結核加療後,長期経過を経て気管支狭窄をきたした1例

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タイトル別名
  • A Case of Bronchial Stenosis in a Patient Treated for Bronchial Tuberculosis Many Years Previously

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抄録

背景.気管支結核加療後の長期経過は不明である.症例. 71歳,女性. 25歳時に気管支結核と診断され抗結核薬による治療を受けた. 57歳時に喘鳴を主訴に前医を受診し,胸部CTで左主気管支狭窄を指摘された. 59歳時に他院で気道拡張術を受け,その後経過観察されていたが,再狭窄をきたし紹介となった.精査中に左閉塞性肺炎となり入院した.気管支鏡検査にて,左主気管支はほぼ完全閉塞しており,気管支結核後の瘢痕型狭窄と考えた.閉塞部位は同定可能で薄い膜状の閉塞であり,高周波ナイフ,バルーン,アルゴンプラズマ凝固法による拡張術を施行して改善した.術後,半年の経過で再狭窄は認めていない.結論.気管支結核治療後,長期経過を経て気道狭窄をきたすことがある.喘鳴の鑑別診断として気管支結核の既往を考慮すべきである.

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 37 (1), 28-32, 2015

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

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