気管支内にポリープ状転移病巣を形成した胸腺腫の1例

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タイトル別名
  • Polypoid Growth of an Endobronchial Metastasis from a Thymoma

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抄録

背景.胸腺腫の気管支内転移はまれであるが,ポリープ状病変の形成を報告したものはこれまで1件のみである.症例. 70歳.男性.胸部CTで前縦隔に径60mmの充実性腫瘍と両肺野に複数の小結節を認め,胸腺摘除,左肺部分切除を施行した.胸腺腫(WHO分類Type A Thymoma),両側肺転移(正岡IVb期)と診断された.術後6年目に左下幹に転移しポリープ状病変を形成した.高周波スネアを使用して腫瘍を切除し気道を確保した.さらに放射線化学療法を施行したが,3年後に再び腫瘍が増大し,高周波ナイフによる腫瘍切除を施行した.腫瘍切除3日後にカバー付きメタリックステントを挿入し,気道を確保した.結論.胸腺腫の気管支内転移はまれな病態である.本症例では高周波ナイフによる腫瘍切除が有効であった.

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 37 (1), 82-86, 2015

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

被引用文献 (1)*注記

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