アトピー性皮膚炎に身体醜形障害を併存する1例をめぐる考察 : 皮膚症状への"とらわれ"に対する外来森田療法

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Atopic Dermatitis with Concomitant Body Dysmorphic Disorder : Outpatient Morita Therapy for "Obsession" with Skin Symptoms
  • 症例研究 アトピー性皮膚炎に身体醜形障害を併存する1例をめぐる考察 : 皮膚症状への"とらわれ"に対する外来森田療法
  • ショウレイ ケンキュウ アトピーセイ ヒフエン ニ シンタイ シュウケイ ショウガイ オ ヘイソン スル 1レイ オ メグル コウサツ : ヒフ ショウジョウ エ ノ"トラワレ"ニ タイスル ガイライ モリタ リョウホウ

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抄録

アトピー性皮膚炎に身体醜形障害を併存する1例を報告した.神経質性格を基盤にしたアトピー性皮膚炎の患者が,皮膚症状に対する「とらわれの精神病理構造」を認める場合,外来森田療法は有用である.治療者は,彼女の語り,および彼女の実存を主体的,実存的に我がものとして引き受け,「生の欲望」の涵養を行った(実存的交わり:ヤスパース).また,本症例は皮膚科医師に「顔の皮膚症状は良くなっている」と言われているにもかかわらず,「自分としては良くなっているとは思えない.納得できない」という「皮膚科医師の客観的判断と,本人の主観的判断の不一致」を認めた.こうした認知様式は,身体醜形障害に由来するもので「妄想的心性」もしくは「外見の欠陥に対するとらわれ」と呼ばれる.こうした認知様式が彼女のドクターショッピング行動を引き起こしていたことを指摘した.

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 55 (4), 359-366, 2015

    一般社団法人 日本心身医学会

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