『夢の浮橋』覚書 : 谷崎潤一郎の語りの圏域(<特集>近代文学における<他者>)

• 塩崎 文雄

  和光大学

書誌事項

タイトル別名

• Memorundums from Yume no Ukihashi : Tanizaki Junichiro's Region of Story Telling(<Feature Articles>The "Antagonist" in the Modern Literature)
• 「夢の浮橋」覚書--谷崎潤一郎の語りの圏域
• ユメ ノ ウキハシ オボエガキ タニザキ ジュンイチロウ ノ カタリ ノ ケン

抄録

谷崎潤一郎の『夢の浮橋』は、従来、母子相姦(インセスト)および父子間の女性譲渡(スワッピング)の物語として、さらにはPederastyの物語として読まれてきた。それに対して、本稿は手記執筆者における書くことの発見の物語、として読み直してみた。そうすることによって、甘美なそれだけに痛切な母子の授乳事件は、理解不能な継母の<他者性>の問題として析出する。しかも、その<他者性>を十全に捕捉するために、体験した「真実」をさまざまに配列し直して語るところに<空無>としてのみかごとを見出すことができるのである。

収録刊行物

• 日本文学

  日本文学 37 (10), 12-25, 1988

  日本文学協会

詳細情報

• CRID: 1390001205776519936
• NII論文ID: 110009923972
• NII書誌ID: AN00197092
• DOI: 10.20620/nihonbungaku.37.10_12
• ISSN: 24241202
• ISSN: 03869903
• NDL書誌ID: 2910924
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I2910924
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • NDL
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可