社会福祉法人の現代的意義と課題

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タイトル別名
  • The Current Significance of Social Welfare Corporations and Challenges They Face

抄録

我が国では近年,内部留保の過剰蓄積の懸念に端を発して,社会福祉法人に関する議論が盛んになっており,採算のとれない公益事業の不十分な取り組みが指摘されている。しかし,内部留保と公益事業については,以下の点に留意する必要がある。まず,営利行動と多額の内部留保とを同一視することはできないということである。次に,社会福祉法人の意義の解釈に関連して,資金に係る規制や,行政による抑制的な指導,社会福祉法人の受託中心の経営などが,公益事業の実施を妨げたことである。そして,公益事業が抑制されれば,社会福祉事業が黒字経営である限り内部留保は減らないということである。以上を踏まえ,社会福祉法人が,積極的に公益事業に取り組めるための対策として,本稿は,公益事業の定義を明確にすることと合わせて,抑制的な指導を行う所轄庁の認識を変える通知を発出することや,社会福祉事業における繰越金の使途制限の緩和を提案している。

収録刊行物

  • 社会政策

    社会政策 6 (2), 115-124, 2015

    社会政策学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001206118944000
  • NII論文ID
    110009943587
  • DOI
    10.24533/spls.6.2_115
  • ISSN
    24332984
    18831850
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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