ビル内におけるトビイロゴキブリの分布とその季節消長に関する研究

書誌事項

タイトル別名
  • Studies on the distribution and seasonal prevalence of the <i>Periplaneta brunnea</i> Burmeister in a building
  • ビル ナイ ニ オケル トビイロゴキブリ ノ ブンプ ト ソノ キセツ ショウチョウ ニ カンスル ケンキュウ

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抄録

<p>2010年7月~2011年2月までの間,広島県内のビルのゴキブリ類の生息調査をおこなった.その結果,トビイロゴキブリ,チャバネゴキブリ,クロゴキブリの3種が捕獲された.その内訳はトビイロゴキブリ399個体,チャバネゴキブリ1,170個体,クロゴキブリ6個体であった.各階層での生息は,トビイロゴキブリは地下1~3階と屋上階,チャバネゴキブリは地下1~3階と5~屋上階,クロゴキブリは屋上階と地下3階であった.</p><p>施設名称別の捕獲種は,飲食施設でトビイロゴキブリは1個体,チャバネゴキブリが881個体,給湯室等(SK・洗濯場・冷蔵庫周り含む)では,トビイロゴキブリは40個体,チャバネゴキブリ190個体,クロゴキブリは3個体でチャバネゴキブリが優占種であった.バックヤード(従業員通路)は,トビイロゴキブリ219個体,チャバネゴキブリ52個体,自動販売機周辺は,トビイロゴキブリ1個体,チャバネゴキブリ2個体.トイレは,トビイロゴキブリ,クロゴキブリが各3個体,チャバネゴキブリ15個体で,チャバネゴキブリが他種に比べ,多く捕獲された.荷捌場は,トビイロゴキブリのみ35個体,機械室はトビイロゴキブリ85個体,チャバネゴキブリ3個体,ゴミ置場はトビイロゴキブリ15個体,チャバネゴキブリ27個体であった.</p><p>トビイロゴキブリの初夏から冬期における消長は,初夏から初秋は成虫および幼虫がみられたが,冬季には成虫は見られず,わずかに幼虫が捕獲された.</p>

収録刊行物

  • ペストロジー

    ペストロジー 30 (1), 1-5, 2015-05-25

    日本ペストロジー学会

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