[Review: Symposium on Applied Glycoscience] Physical Property Change of Starchy Food

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  • 【総説-応用糖質科学シンポジウム-】 澱粉含有食品における物理的性状変化
  • 澱粉含有食品における物理的性状変化
  • デンプン ガンユウ ショクヒン ニ オケル ブツリテキ セイジョウ ヘンカ

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Abstract

澱粉含有食品を対象とした物性研究とその利用意義について,本稿では筆者らがこれまでに行ってきたクッキーを題材とした研究成果を中心に紹介する。一般に,澱粉の融解やガラス転移は示差走査熱量計によって調べられる。しかしクッキーのような多成分系においては,様々な成分の熱応答が連続的に検出されるため,得られた結果の解釈は極めて難しくなる。筆者らは,示差走査熱量計測定と偏光顕微鏡観察とを併用することで,クッキー生地における澱粉の融点を決定し,その水分含量依存性を明らかにした。また,この結果に基づき,澱粉の融解を完全に回避した焼成方法を設計し,クッキーに含まれる澱粉の酵素分解速度が従来のものより低くなることを示した。一方,レオメーターに温度制御装置を取り付けることで,試料に一定荷重を与えた状態で等速昇温可能な測定システム(昇温レオロジー測定)を構築し,これによってクッキーのガラス転移温度を明瞭に捉えることに成功した。また,クッキーに配合する糖質によってクッキーのガラス転移温度を制御できることを実証した上で,クッキーの食感や吸湿耐性に関する予測の可能性を示した。

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