糖尿病医療における臨床心理士の可能性(糖尿病患者を診る(理解する),2014年,第55回日本心身医学会総会ならびに学術講演会(千葉))

  • 大家 聡樹
    社会医療法人かりゆし会ハートライフクリニック

書誌事項

タイトル別名
  • Possibility of the Role of a Clinical Psychologist in the Medical Care of Diabetes(Treating and Understanding Patients with Diabetes)
  • 糖尿病医療における臨床心理士の可能性
  • トウニョウビョウ イリョウ ニ オケル リンショウ シンリシ ノ カノウセイ

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抄録

糖尿病には,不治性(石井,1999),自己治療の必要性(Andersonら,2000/2001),進行性の疾患(UKPDS, 1996)などの特徴があるため,心理的負担が生じる可能性が高い.そのため,糖尿病は一人で抱えることが困難である場合があり,医療者と患者との関係やチーム医療による多職種でのかかわりが重要になってくる.チームの中の臨床心理士の役割としては,治療の動機づけやストレス対処が挙げられている.60歳代2型糖尿病患者のAは,1型糖尿病の診断を機にインスリンが導入されたことを機に,糖尿病であることを受容し,積極的に治療が開始されたことが示された.Aと臨床心理士の心理面接においては,患者の自己管理と自己実現を目指したかかわりがなされ,糖尿病の受容を促進し,それに伴う傷つきや抑うつ,不安を安定的に収束していくことの一助となったと考えられた.

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 55 (7), 849-856, 2015

    一般社団法人 日本心身医学会

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