稲作複合経営計画におけるファジィ多目的計画法

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タイトル別名
  • Application of the Fuzzy Multi-objective Linear Programming to Rice Mixed Farming

抄録

本論文では、稲作複合経営計画を策定する際、目的関数や制約式の係数に、あいまいさをふまえたファジィ制約を導入し、一層現実的対応の効く計画法を検討した。それは、台形型のL-Rファジィ数で与えられたファジィ多目的線形計画法に対し、意志決定者による可能性の安全係数値を設定の上、クリスプな多目的線形計画問題として考察したものである。また、具体的に意志決定者が各目的関数や制約条件式に対するファジィ目標を設定することにより、ファジィ目標が反映された妥協解あるいは満足解か得られることを検討した。その結果、以下のことが明らかになった。1)意志決定者が、得られた解を考慮しながらファジィ目標を変更することにより、より実現可能な満足できる解を得ることが可能になる。2)また、意志決定者による大小関係の指標の選択と、可能性安全係数値の設定により、目的関数値が変化することが確認できた。ただし、各部門別の売上高、粗利益、労働時間の制約や資源制約量に台形型L-Rファジィ数を適用したが、台形を定める各要素数値については収穫情報などを十分検討し、その結果を反映させる必要がある。3)さらに、この解法を用いると、意志決定者は自らの意志をより多く反映させた制約条件式を取り扱うことができるため、意志決定者の個性的特徴も精細に計画に取り込むことができる。4)最後に、三角型のメンバシップ関数や、最小化問題に変換することも容易に可能であり、その上、通常のファジィ線形計画問題に適用することも可能であるなど、この手法の汎用性が見込まれ、その有効性への検討も含めて今後の課題としたい。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390564238085672960
  • NII論文ID
    110009977871
  • DOI
    10.20809/seisan.5.2_19
  • ISSN
    24242403
    13410156
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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