現在歯数と基本チェックリストから把握できるカテゴリー別の機能維持レベルとの関連

  • 中向井 政子
    神奈川歯科大学大学院口腔衛生学講座 神奈川歯科大学短期大学部歯科衛生学科
  • 石田 直子
    神奈川歯科大学大学院口腔衛生学講座 神奈川歯科大学短期大学部歯科衛生学科
  • 石黒 梓
    神奈川歯科大学大学院口腔衛生学講座 鶴見大学短期大学部歯科衛生科
  • 古谷 みゆき
    浜松市健康福祉部
  • 芹澤 孝昌
    一般社団法人沼津市歯科医師会
  • 荒川 浩久
    神奈川歯科大学大学院口腔衛生学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Association between Basic Checklist Results and the Number of Remaining Teeth
  • ゲンザイ ハスウ ト キホン チェックリスト カラ ハアク デキル カテゴリー ベツ ノ キノウ イジ レベル ト ノ カンレン

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抄録

 高齢者の現在歯数と基本チェックリストの回答との関連を分析し,高齢になっても歯が多数残ることの重要性を検証することを目的に,平成24年度に沼津市が65歳以上の市民を対象に実施した「沼津市介護予防基本チェックリスト調査」の分析を行った.分析対象者は25,943名(男性12,007名,女性13,936名)であった.今回の分析に用いた項目は,厚生労働省が作成した25項目の基本チェックリストと,性別,年齢,および沼津市が独自に追加した現在歯数階級(0歯,1〜9歯,10〜19歯,20歯以上)であった.現在歯数階級別の年齢と7項目のカテゴリー点数の平均値の差の検定(分散分析後に多重比較)を行った.また,年齢による交絡を除くために,65歳から5歳刻みで年齢による層化を行い,現在歯数階級別の各カテゴリーの平均点数をみた.さらに重回帰分析(強制投入法)を行って,各カテゴリー点数の現在歯数と年齢の影響について分析した.その結果,現在歯数が少なくなるにつれて,各カテゴリーの平均点数が上昇した.年齢により層化した結果においては,各カテゴリーの平均点数の差が少なくなるカテゴリーもあったが,ほぼ同様の結果がみられた.重回帰分析の結果では,「運動器の機能」の調整済み決定係数が最も大きかったが,その値は0.13であり,モデルの説明程度は小さいものであった.各カテゴリーの標準化偏回帰係数から年齢の影響が大きくみられたが,現在歯数が影響しているカテゴリーもみられた.以上のことから,基本チェックリスト票から把握できる生活状態や機能には,年齢による影響が最も大きく,現在歯数も影響していることが示唆された.

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