北海道における4種の国内外来カエルの捕食による影響 : 胃重要度指数割合からの把握

  • 更科 美帆
    酪農学園大学大学院 野生動物保護管理学研究室
  • 吉田 剛司
    酪農学園大学大学院 野生動物保護管理学研究室

書誌事項

タイトル別名
  • Predation impacts of four invasive frogs in Hokkaido, Japan, assessed by an index of relative importance
  • ホッカイドウ ニ オケル 4シュ ノ コクナイ ガイライ カエル ノ ホショク ニ ヨル エイキョウ : イ ジュウヨウド シスウ ワリアイ カラ ノ ハアク

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抄録

本研究では、北海道において4種の国内外来カエルによる捕食被害の実態を明らかにすることを目的とし、近年カエル類の食性調査においても汎用性が期待される胃重要度指数割合を用い食性調査を実施した。その結果、アズマヒキガエル、ツチガエルは地表徘徊性生物、特にアリ類を大量に捕食しており、アズマヒキガエル、トウキョウダルマガエル、トノサマガエルはカエル類を捕食していることが明らかとなった。外来カエルの捕食による北海道独自の生態系ピラミッドへの影響や在来カエルとの競合または駆逐が懸念される。また3種の外来カエルが希少種を捕食していたことが判明した一方で、1種の外来カエルはセイヨウオオマルハナバチなどの他の外来種を捕食していることが判明した。北海道においてアズマヒキガエル、トノサマガエル、トウキョウダルマガエルの3種は分布拡大傾向にあるため、広範囲にわたる捕食影響が懸念される。特に近年、北海道では水稲が盛んであり、水田地域を生息域として利用するトウキョウダルマガエル、トノサマガエルの分布拡大は今後の地域の湿地生態系に大きな影響を与える可能性がある。

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