家族ピア教育プログラムを精神障がい者家族が継続実施することで得る利益 : プログラム事後調査

書誌事項

タイトル別名
  • Benefits for Families of People with Mental Disorders Who Continuously Implement a Family Peer-education Program : A Program Post-test
  • カゾク ピア キョウイク プログラム オ セイシン ショウガイシャ カゾク ガ ケイゾク ジッシ スル コト デ エル リエキ : プログラム ジゴ チョウサ

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抄録

目的:精神障がいの家族ピア教育プログラムを担当する家族が活動を継続実施することで得る利益を明らかにすることを目的とした.方法:横断研究とした.2013年度に家族学習会を実施した45か所のうち,10月以降に最終回を迎えた38か所で質問紙が配布された.質問紙は,最終回に参加した家族と実施した担当者家族に配布され,郵送で回収された.そのうち担当者の回答のみを本研究で分析した.独立変数を担当者として経験したコース数,従属変数をGroup Benefit ScaleとTherapeutic Factors Inventory-19の下位尺度Instillation of HopeとSecure Emotional Expressionとした.結果:質問紙は,担当者164人に配布され,133人が返送,130人が有効回答であった.実施したコース数が多い担当者ほど,「家族学習会に参加してから,私の家族としての対応は,かなりよくなった」(F=5.60, p<0.05),「家族学習会に参加し始めてから,自分自身がよい方向に変わってきたと感じる」(F=15.76, p<0.001), Instillation of Hope (F=5.29, p<0.05)を高く評価していた.考察:担当者を継続して実施することによって,担当者が使う進行技術が身に着いて聞き上手や褒め上手になると考えられる.これらの技術は,障がいをもつ本人とのコミュニケーションにおいても役立っている可能性がある.また,担当者が体験的知識を使って他の家族を助けることは,自身の否定的な体験を意味あるものへと変える.担当者になることは,自身の生き方にも影響を与えていると考えられる.よって,担当者を継続的に実施することは,担当者自身にとっても利益があるといえる.

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