生活困難を抱える母子家庭の母親理解に関する生成的実践 : 母親規範に回収されない理解

書誌事項

タイトル別名
  • Routine Practices to Encourage Single Mothers with Problems in Their Daily Lives : Support for Women Who Have Not Reverted to Maternal Norms
  • セイカツ コンナン オ カカエル ボシ カテイ ノ ハハオヤ リカイ ニ カンスル セイセイテキ ジッセン : ハハオヤ キハン ニ カイシュウ サレナイ リカイ

この論文をさがす

抄録

本論文では,近年の日本における「標準家族」を想定した家族規範,母親規範そのものを再考せざるをえないような,複合的な問題を抱えた母子への支援において,どのような母親理解が生成的に生み出されているかに着目した.そして母子生活支援施設の支援者が,ある困難事例の中で母親をどのように語るのかをインタビュー・データを素材として考察した.カテゴリー化実践の視点から分析した結果,データには「お母さん」「彼女」「Aさん」という三つの次元の異なる呼称(標識)があり,それらの語りの内容を比較検討した.その結果,「母親規範の裂け目」という状況を契機に,母親役割を外在化したり,支後者の専門的自己をゆるがすような強い呼びかけが,「彼女」「Aさん」の呼称を用いた語りに生じていることを見いだした.特に「Aさん」という呼称があらわす利用者理解には,母親役割に回収されない女性支援の視点の萌芽があると論じた.

収録刊行物

  • 社会福祉学

    社会福祉学 56 (1), 61-73, 2015-05-31

    一般社団法人 日本社会福祉学会

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ