一時的なシリコンステント留置が有効であった気管気管支原発MALTリンパ腫の1例

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タイトル別名
  • A Case of Primary Tracheobronchial Mucosa-associated Lymphoid Tissue Lymphoma Successfully Treated by Temporary Use of a Silicone Stent

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抄録

背景.気管気管支原発MALT (mucosa-associated lymphoid tissue)リンパ腫は稀な疾患である.今回気管内腔の腫瘍による中枢気道狭窄に対して,一時的なシリコンステント留置が非常に有効であった症例を経験したので報告する.症例. 75歳,男性.呼吸困難を主訴に当院を受診.胸部CTにて気管の壁肥厚および内腔の高度狭窄を認めた.気管支鏡検査では気管は多発隆起性病変により著明な内腔狭窄所見を伴っていた.経過.全身麻酔下に硬性鏡を用いて病変を大きく切除した後,気道確保のためにDumon-Yステントを留置し,呼吸困難は著明に改善した.全身検索にて他部位に病変を認めず,病理組織所見と併せて気管気管支原発MALTリンパ腫と診断した.リツキシマブによる化学療法を施行し,気管内腔腫瘍の消失を確認し,留置から8か月後にステントを抜去した.初診時から5年以上経過したがMALTリンパ腫は良好にコントロールされている.結論. MALTリンパ腫による中枢気道狭窄を認めた場合,一時的にシリコンステント留置を行うことは治療のための有効な選択肢であると考えられた.

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 37 (5), 514-520, 2015

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

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