うつ病の精査中に骨髄異形成症候群を指摘した1例

書誌事項

タイトル別名
  • Myelodysplastic Syndrome Found During an Examination for Depression
  • 症例研究 うつ病の精査中に骨髄異形成症候群を指摘した1例
  • ショウレイ ケンキュウ ウツビョウ ノ セイサ チュウ ニ コツズイイケイセイ ショウコウグン オ シテキ シタ 1レイ

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抄録

目的:警告うつ病は,重症の身体疾患が発見される数週〜数カ月前に抑うつ状態が先駆してみられる病態を指す.今回われわれは,うつ病の精査中に骨髄異形成症候群を指摘した症例を経験したので報告する.症例:82歳女性.X-3年より両足関節〜膝の痛みと灼熱感が出現.X年1月に気力減退,喜びの喪失,倦怠感,体重減少を認めた.近医での身体精査では器質的異常を認めず,同年5月当院当科紹介となった.経過:精査目的に同年6月当科入院.大うつ病性エピソードを認め,うつ病の診断に至った.血液検査にて3系統での血球減少と異形成のある細胞が検出された.骨髄穿刺にて骨髄中に芽球を4.6%認め,骨髄異形成症候群と診断した.結語:高齢患者においてうつ病エピソードをきたし,その精査中に骨髄異形成症候群を指摘した.高齢者の診療に際しては警告うつ病を念頭に置いて,器質的疾患の除外を行う必要がある.

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 55 (10), 1155-1159, 2015

    一般社団法人 日本心身医学会

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