移行抗体検査に基づく初乳の補給が黒毛和種子ウシの下痢の発生および発育に及ぼす影響

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  • Effects of colostrum supplementation on the incidence of diarrhea and on growth in Japanese Black cattle calves based on maternal antibody tests
  • イコウ コウタイ ケンサ ニ モトズク ハツニュウ ノ ホキュウ ガ クロゲワシュ コウシ ノ ゲリ ノ ハッセイ オヨビ ハツイク ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

自然哺育条件下の黒毛和種新生子ウシの初乳摂取状況を血液性状に基づき簡易的に判定し、初乳摂取量が不足する個体への代用初乳給与が下痢の発生および発育に及ぼす影響を検討した。初乳を充分に摂取した健康な子ウシ31頭を用いて、出生後9時間における血漿中総蛋白質および亜硫酸ナトリウム混濁試験スコアの基準値を設定した。いずれかが基準値を下回る場合は、代用初乳500mLを補給した。対策前後各9か月間に出生した子ウシそれぞれ117頭および123頭について、60日齢までの下痢発生率と治療に要した日数、斃死率、日増体重を調査した。初乳補給の必要性は、採血後15分で判断可能で、必要と判断された個体は全体の13%であった。対策によって対策前に比べて下痢発生率が少なく、治療に要する日数が短くなり、斃死率は対策開始前の2.6%に対して0%に減少した。日増体重は、ほぼ同程度であった。以上のことから、今回提示した対策は下痢の発生の抑制と症状の軽減に有効である可能性が示唆された。

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