ひらがな拗音の読みが困難な2事例に対する拗音読みの習得状況に応じた指導法の選択とその効果の検討

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  • Effects of an Instruction Method Based on the Development of Reading Hiragana Yo-on : Two Children with Reading Difficulty

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抄録

本研究は、ひらがな拗音の読みに困難を示す2事例を対象に、拗音読みの習得状況に応じて指導法を選択し、その指導効果を検討した。参加児は、拗音表記を清音表記として誤読する事例、読み音が類似する拗音間で誤読する事例の2名であった。前者の事例には、拗音表記の読み方略を促す指導法を実施し、後者の事例には、各拗音の正確な読みを促す指導法を実施した。その結果、両事例ともに拗音文字の読み、拗音を含む文字単語の読みの成績が改善された。本研究より、拗音を清音表記として誤読する事例では、清音表記と拗音表記の弁別を求める指導が有効であり、読み音が類似した拗音間で誤読する事例では、拗音部分が語頭にある単語の語頭音を抽出させて読む指導が有効である可能性が示唆された。今後は、各指導法が他事例でも有効かどうかに関する外的妥当性の検討、および指導効果がもたらされるための諸条件の検討が求められる。

収録刊行物

  • 行動療法研究

    行動療法研究 41 (3), 239-250, 2015-09-30

    一般社団法人 日本認知・行動療法学会

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