神経障害性慢性疼痛が惹起するストレス適応形成障害とパロキセチンの除痛効果

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タイトル別名
  • シンケイ ショウガイセイ マンセイ トウツウ ガ ジャッキ スル ストレス テキオウ ケイセイ ショウガイ ト パロキセチン ノ ジョツウ コウカ
  • Maladaptation to stress as a result of chronic neuropathic pain and the antinociceptive effect of paroxetine

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抄録

本研究では,神経障害性慢性疼痛モデルマウスを作製し,本モデルマウスのストレス適応能力について行動学的に検討した.神経障害性慢性疼痛モデルマウスは,右後肢坐骨神経を半周結紮することで作製した.Holeboard試験において,1 時間の拘束ストレス刺激により惹起される情動性の低下は,同ストレス刺激を1 日1 回14 日間慢性的に負荷した非結紮群においては消失し,ストレス適応が形成された.一方,結紮群においては情動性の低下が依然認められ,神経障害性慢性疼痛によりストレス適応形成の障害が惹起されることが示唆された.さらに本研究では,神経障害性疼痛に対するパロキセチンの除痛効果についても検討した.その結果,坐骨神経結紮により惹起されるアロディニア反応は,パロキセチンを結紮翌日から慢性投与することで有意に抑制され,疼痛コントロールに難渋する神経障害性疼痛に対するパロキセチンの有効性が示された.したがって,神経障害性疼痛を有する患者が呈する適応障害に対しても,パロキセチンが有効である可能性が示唆される.

source:http://ci.nii.ac.jp/naid/110010022321

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