余弦波をつないで合成した音声波の考察

  • 吉田 秀樹
    鹿児島大学・工学部・情報生体システム工学科
  • 松尾 康弘
    鹿児島大学・工学部・情報生体システム工学科:鹿児島医療技術専門学校・言語聴覚療法学科
  • 湯ノ口 万友
    鹿児島大学・工学部・情報生体システム工学科
  • 中野 正博
    純真学園大学・保健医療学部
  • 行正 徹
    産業医科大学・医学部・心理学

書誌事項

タイトル別名
  • Speech Synthesis with the Connection of Cosine-type Signals
  • ヨゲンハ オ ツナイデ ゴウセイ シタ オンセイハ ノ コウサツ

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抄録

音声波を時間軸上で近似するカーネル関数の設計を試みた。内耳の蝸牛や中脳の下丘での情報処理に倣い、音声波は1オクターブ帯域で分割された。聴神経が位相固定する特性に倣い、帯域制限波は極大値が出現するタイミングで標本化された。下丘中心核はじめ多数の神経核で振幅包絡を検出する性質に倣い、振幅包絡は余弦波を最大6周期つなぎ合わせたカーネルとしてモデル化された。カーネル微細構造の角周波数を一次回帰式で推定すると位相誤差は9%未満となり、主観的な音質の荒さは生じないことが示唆された。しかし1,280Hz以上の帯域のカーネル振幅では、線形推定値に100%超の誤差が生じた。音声波の随所には相関がみられることが知られているが、4.2%のカーネルについては経時変動が大きく、線形推定に適さない例外波形であることが観察された。

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