【総説-受賞論文-】 オリゴ糖合成に有用な糖質加リン酸分解酵素に関する研究

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タイトル別名
  • [Review: Prize-awarded article] Studies on Glycoside Phosphorylases Useful for Oligosaccharide Synthesis
  • 受賞論文 オリゴ糖合成に有用な糖質加リン酸分解酵素に関する研究
  • ジュショウ ロンブン オリゴトウ ゴウセイ ニ ユウヨウ ナ トウシツカリンサン ブンカイ コウソ ニ カンスル ケンキュウ

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抄録

糖質加リン酸分解酵素(ホスホリラーゼ)は,その反応の可逆性および厳密な位置選択性からオリゴ糖合成に有効な触媒として高く評価されているが,その利活用はいまだ限定的である.その要因の1つとして,既知ホスホリラーゼの種類が少ないことが挙げられる.ホスホリラーゼを用いたオリゴ糖合成を展開させるためには,未知の基質特異性を有するホスホリラーゼの探索が不可欠である.そこで,遺伝子情報を基に網羅的に新規ホスホリラーゼの探索を行った結果,ニゲロース,α-1,3-オリゴグルカン,3-O-α-D-グルコシル-L-ラムノース,2-O-α-D-グルコシルグリセロール,セロビオン酸,β-1,4-D-マンノシル-N-アセチル-D-グルコサミン,β-1,2-マンノビオースおよびβ-1,2-オリゴマンナンにそれぞれ作用する8種の新規ホスホリラーゼの発見に成功した.さらに新規ホスホリラーゼを用いることにより,安価な天然糖質から機能性オリゴ糖ニゲロースおよびアスパラギン結合型糖鎖のコア2糖であるβ-1,4-D-マンノシル-N-アセチル-D-グルコサミンの新規合成法の開発に成功した.

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