妊娠高血圧症候群胎盤の絨毛間腔におけるプロテオグリカン発現やグリコサミノグリカン構造の変化

  • 松倉 大輔
    弘前大学大学院医学研究科 産科婦人科学講座
  • 横山 良仁
    弘前大学大学院医学研究科 産科婦人科学講座
  • 田中 幹二
    弘前大学大学院医学研究科 産科婦人科学講座
  • 尾崎 浩士
    弘前大学大学院医学研究科 産科婦人科学講座
  • 水沼 英樹
    弘前大学大学院医学研究科 産科婦人科学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Changes of proteoglycan expression and glycosaminoglycan constituents in the intervillous space of the pregnancy-induced hypertension placenta

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抄録

 妊娠高血圧症候群 (PIH) 胎盤の絨毛間腔におけるプロテオグリカン (PG) 発現やグリコサミノグリカン (GAG) 糖鎖の構造について研究した.胎盤絨毛間腔から抽出したプロテオグリカンやグリコサミノグリカンを,塩濃度勾配を用いた DEAE-Sephacel カラムクロマトグラフィーで精製し,アクチナーゼやセルラーゼ酵素消化にて GAG を分離した.正常妊娠胎盤と PIH胎盤の GAG糖鎖についてセルロースアセテート膜電気泳動法を用いて比較した.ヒアルロン酸,ヘパラン硫酸,コンドロイチン硫酸には差違は認められなかったが,PIH胎盤におけるデルマタン硫酸 (DS) の発現が増加していた.抗凝固因子を特異的に活性化するデルマタン硫酸の胎盤内での増加は、PIH で見られる凝固亢進に対抗するための生体内反応である可能性がある.

収録刊行物

  • 弘前医学

    弘前医学 59 (2-4), 128-135, 2008

    弘前大学大学院医学研究科・弘前医学会

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