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抄録
扁桃病巣疾患は症状の発現部位が必ずしも耳鼻咽喉科領域ではないため, その治療においては関係する他科との連携が必要不可欠である. 一般に扁桃病巣疾患としてIgA腎症, 掌蹠膿疱症, 胸肋鎖骨過形成症の3疾患が広く知られており, 扁摘により高い治療効果が認められている. 今日ではその3疾患の他に乾癬やアレルギー性紫斑病などの皮膚疾患, ベーチェット病やリウマチ性関節炎, アキレス腱炎などの自己免疫疾患においても扁桃との関連性が報告されているが, 扁桃病巣疾患としての認識は未だ十分とは言えないのが現状である. 現在当科ではこれら多くの扁桃病巣疾患に対して関係他科との連携のもと積極的に扁摘を行い, 非常に高い効果を認めている. 一般に扁桃病巣疾患はその多くが難治性であり, 内科的治療のみではコントロールが難しい. それらの疾患全例に扁摘の効果があるわけではないが, 扁桃との関連性を疑わせる所見がある場合には積極的に扁摘を考慮すべきである. 今後さらなる病態の解明と関係他科への啓蒙が必要であろう.
収録刊行物
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- 口腔・咽頭科
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口腔・咽頭科 19 (2), 181-187, 2007
日本口腔・咽頭科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679401932800
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- NII論文ID
- 130004161224
- 120001025259
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- ISSN
- 18844316
- 09175105
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可