褐色細胞腫の摘出後に著明な低血糖を呈した1例

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タイトル別名
  • Postoperative hypoglycemia after resection of pheochromocytoma : a case report

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抄録

39歳男性.患者は動悸で受診し, 内服薬を自己判断で休薬し, 症状の増悪で入院となった.血液検査では血中カテコールアミン(CA)はエピネフリン(E)およびノルエピネフリン(NE)の異常高値とドーパミン(DA)の高値を認め, 尿中CAはE, NE, DA, バニリルマンデル酸(VMA)が異常高値であった.CTでは右腎上方に7.5×5×7cmの軟部腫瘍を認め, 中心部は不均一な低吸収域を呈していた.MRIのT1ならびにT2強調では腎実質と等信号で内部に高信号域を認め, 131I-MIBGシンチグラフィでは右副腎の病変に一致して強い集積像を認めた.これらより右副腎腫瘍を疑い経腹的右副腎腫瘍摘出術を施行した.術後2時間後に意識レベルが混濁し, 多量の発汗を認め, 血糖値38mg/dlと異常低値が生じたものの, 高カロリー輸液と50%ブドウ糖の点滴静注により, 症状は消失し, 血中と尿中CA値も正常化した.なお, 病理所見褐では色細胞腫であった

収録刊行物

  • 泌尿器科紀要

    泌尿器科紀要 50 (7), 479-483, 2004-07

    泌尿器科紀要刊行会

被引用文献 (2)*注記

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