東京大学愛知演習林および千葉演習林の山地小流域における基底流出量と流域面積の関係の差異について

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  • Relationship between Base Flow and Basin Area of Small Mountainous Basins at the Tokyo University Forest in Aichi and in Chiba

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抄録

降雨流出過程の相違を明らかにする目的で、異なる基盤地質における流域面積と比流量の関係を解析した。解析対象流域を新第三紀層堆積岩の千葉演習林内鳥居沢流域と風化花崗岩地帯の愛知演習林内白坂流域とし、鳥居沢流域内で4地点(12.0?39.4ha)、白坂流域内で9地点(2.6?88.5ha)渓流流量を測定した。比流量比を、流域出口での比流量で流域内の各比流量を除して計算したところ、比流量比の値は鳥居沢流域で0.25?1.0、白坂流域で0.83?1.31であった。また、鳥居沢流域内では流域面積が増大するに従い比流量も増加するが、白坂流域内では流域面積に関わらず比流量は比較的差が無いという特徴が見られた。電気伝導度の調査でも同様の傾向が見られ、鳥居沢流域内では流域面積の増大に伴い電気伝導度の値が増加することが分かった。これらのことは、上流の流域で基岩への深部浸透が多くあり、これが下流の河道に湧出しているという新第三紀層流域の基底流出形成機構の特徴を示している。

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