右腎部分切除術を施行した腎腺腫の1例

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タイトル別名
  • Renal adenoma treated with partial nephrectomy: a case report
  • ウジン ブブン セツジョジュツ オ シコウシタ ジンセンシュ ノ 1レイ

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抄録

他疾患の精査中, 偶然発見された腎腺腫の1例を報告した。症例は78歳男性で, 4年前の膀胱癌に対するBCG膀胱内注入療法後の定期的な膀胱鏡検査でビロード状粘膜を指摘された。腹部造影CTに膀胱癌の転移を示唆する所見はなかったが, 右腎下極に動脈相で濃染する径10mmの腫瘍性病変を認めた。右腎細胞癌(cT1aN0M0)と診断し, 右腎部分切除を行った。切除した腫瘍は重量5g, 最大径10mmで, 病理組織学的には1層性の好酸性上皮が管状乳頭状に発育し, 被膜の形成や腫瘍内部の出血, 壊死は認められず, 核は小型, 均一で異型性に乏しかった。腫瘍は腎腺腫で, 定期検査で指摘されたビロード状粘膜変化は慢性膀胱炎の所見であった。腎腺腫は術前の画像検査で確定診断が困難なことが多い。良性腫瘍の可能性もある小さな腎腫瘍に対しては, 腎部分切除術が診断・治療に有効であると考えられた。

収録刊行物

  • 泌尿器科紀要

    泌尿器科紀要 53 (7), 473-475, 2007-07

    泌尿器科紀要刊行会

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