肝硬変合併腎細胞癌術後4年目に発見された孤立性対側副腎転移の1例

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書誌事項

タイトル別名
  • Renal cell carcinoma with asynchronous contralateral adrenal metastasis and liver cirrhosis (four years after surgery): a case report
  • カンコウヘン ガッペイ ジン サイボウ ガン ジュツゴ 4ネンメ ニ ハッケンサレタ コリツセイ タイソク フクジン テンイ ノ 1レイ

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抄録

52歳男。4年前に肝硬変(ウイルス性C型肝炎)と腎機能障害の経過観察中のCT, MRI検査で左腎上極に径4cm大腫瘤を指摘された。脾機能亢進症状で血小板減少を認めたため部分的脾動脈塞栓術(PSE)施行後5週目に経腰的左腎摘出術を施行し左副腎は温存した。腫瘍部は5×5×4cm大で病理所見ではrenal cell carcinoma, granular cell carcinoma, G2pT1b, StageIであった。2~3ヵ月毎の経過観察で再発・転移兆候は認めなかったが, 手術後約3年半のMRIで右副腎に径2.5cm大の腫瘤を認め増大傾向にあるため精査加療目的入院となった。T1WIで中間信号, T2WIでやや高信号域, CTより右副腎は2.5×3cm 大に腫大し, 副腎皮質シンチで両副腎に取り込みを認め, 6ヵ月後に後腹膜鏡下右副腎摘除術を施行した。腫瘍は4×4.5×2cm大の割面は黄褐色でRCC clear cellの転移病巣で, 病理所見よりrenal cell carcinomaと判明した。術後9日目に退院し, 免疫療法は施行せず, 術後7ヵ月現在再発・転移の兆候は認めていない。

収録刊行物

  • 泌尿器科紀要

    泌尿器科紀要 53 (12), 869-873, 2007-12

    泌尿器科紀要刊行会

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