男性更年期専門外来の受診患者像に関する検討 : 5年間の臨床統計と年次における変遷

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タイトル別名
  • Analysis of the statues of patients visiting our specialized clinic for hypogonadal men: 5-year experience
  • ダンセイ コウネンキ センモン ガイライ ノ ジュシン カンジャゾウ ニ カンスル ケントウ 5ネンカン ノ リンショウ トウケイ ト ネンジ ニ オケル ヘンセン

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抄録

男性患者511名(年齢35-74歳)を対象に臨床的検討を行った。患者の65.8%は精神科や心療内科の受診歴を有し、そのうち68.0%が治療の有効性を自覚していた。問診票から、倦怠感、易疲労感の自覚81.6%、性欲の低下78.3%、気力の低下72.4%および勃起力の低下69.3%であった。身体的症状有りは睡眠障害および筋力低下の自覚が各5割を超えた。倦怠感および易疲労感と性欲低下の2項目に関して自覚の有無について2群に分けた結果、自覚有り群はフリーテストステロン値が有意に低値であった。MorleyらのADAM質問紙回答では98.3%が更年期障害有りの判定で、AMS rating scaleでは47.8%が更年期障害の判定で、IIEF-5では重度勃起障害は54.3%であった。自己評価式抑うつ性尺度(SDS)の中等度以上は 50.0%で、精神疾患簡易構造化面接法(MINI)の大うつ病エピソード有りは40.5%であった。総テストステロンと年齢に有意な相関は認めず、フリーテストステロン値と年齢には有意な負の相関を認めた。ARTを220名に実施し有効判定は56.8%で無効判定は43.2%であった。ART施行者は 2002年が67.9%の最多の後、漸減し40%代を推移しているが、ARTの有効判定者は徐々に増加傾向を示し、更年期専門外来で本来診療すべき患者の割合は増加しており、社会的必要性は存在すると考えた。

収録刊行物

  • 泌尿器科紀要

    泌尿器科紀要 55 (2), 87-92, 2009-02

    泌尿器科紀要刊行会

被引用文献 (1)*注記

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