The Leatherwood Godにおけるハウエルズの宗教批判

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  • William Dean Howells' Criticism of Religion in The Leatherwood God

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抄録

The Leatherwood God (1916) はHowells 晩年の労作であり、宗教に関する彼の最後の重要ステートメントと目されている。この小説で Howells は、1820年代に 0hio 州の辺境 Leatherwood で、自らを神と名乗る詐欺師 Dylks に生活の平和を乱される住民の苦境を描き、より良い人間の育成とより良い社会の建設に貢献しない宗教に対する手きびしい批判を展開している。従来この村のキリスト教徒達は宗派を超えて協力一致し、同じ教会を共用してきたが、勢力を増した新 Dylks 教の信者達に教会から締め出され、内部抗争と分裂に追いやられる。聖書の数えを守り愛の絆で結ばれていた隣人達や親子兄弟も、Dylks 教の教義のことで口論し、多数が反目しあい、離散するようになる。Howells は啓示宗数が Dylks 教のように、当事者達の自己欺瞞・自己妄想および集団妄想から生まれる可能性があることを示唆し、制度化し組織化された宗教の独善的教義、宗派対立や分裂、道徳的義務の等閑視に批判の矛先を向け、きびしく糾弾している。

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