余暇と祝祭性 : 近代イギリスにおける大衆の余暇活動と社会統制

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タイトル別名
  • Leisure and Festivity : Popular Entertainments and Social Control in Modern England

抄録

以下の小論においては、主に18 世紀後半から19 世紀前半にかけてのイギリス社会における社会統制のある断面を考察の対象とする。この時期、イギリスは社会や産業の近代化を達成することになるが、そのプロセスの中で労働の様態も根本的に変化し大規模化・規律化されていく。その結果、労働と余暇は時間的にも空間的にも分節化され、労働者にも余暇時間が拡大していく。一方でまたこの時代には、社会的にも文化的にも影響力を強め始めた中流市民層によって、祝祭性を伴うことも多かった民衆娯楽や伝統行事のいくつかが「野蛮」「非文明的」であるとして抑圧され、それに替わって「合理的な」レクリエーションが盛んに推奨されるようになる。大衆の余暇時間の過ごし方に対するこうした抑圧や誘導は、人道主義的な慈善に由来するように見えながら、暴動を起こすなどして社会秩序を乱しかねない労働者を馴致しようという意図に基づいた社会統制であったと考えられる。

収録刊行物

  • 観光創造研究

    観光創造研究 6 1-13, 2009-11-20

    北海道大学観光学高等研究センター

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キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1050282813978980352
  • NII論文ID
    120001672719
  • HANDLE
    2115/39898
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    departmental bulletin paper
  • データソース種別
    • IRDB
    • CiNii Articles
    • KAKEN

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