抄録
3カ所のブロイラー農場において出荷前に自主淘汰された鶏119例について病理学的および細菌学的に検索し,椎体膿癌の詳細について検討した.臨床的にはほとんどが削痩・発育不良,脚弱を示していた.肉眼的にはいずれの農場でも脊椎症が最も多く(81/119),椎体膿瘍はA群15/40,B群3/26,C群16/53で,そのうち椎体以外にも細菌感染が観察された症例は6/34(17.6%)であった.椎体膿瘍は第六胸椎付近に主座していた.組織学的には細菌塊を有する 壊死化膿巣,肉芽腫および肉芽組織形成がみられ,隣接する椎体に波及し,関節軟骨は不整となり部分的に肥厚していた.大部分の症例における椎体病変部では,椎体が腫大・変形して脊髄を圧迫していた.また,一部症例の椎体内には扁平から円柱状の上皮で内張りされた気嚢構造が認められた.細菌学的検索では, 病変部からSalmonella属,Staphylococcus属,Escherichia coliが検出された.
収録刊行物
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- 岩手県獣医師会会報
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岩手県獣医師会会報 34 (4), 133-138, 2008-01-01
岩手県獣医師会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050001202673890048
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- NII論文ID
- 120001700544
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- IRDB
- CiNii Articles