排尿時経直腸的超音波検査が有用であった尿路上皮乳頭腫-内反型の1例

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  • Case of lower urinary tract symptoms caused by urothelial papilloma-inverted type as diagnosed by transrectal ultrasonography at voiding

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抄録

54歳男性.患者は排尿困難を主訴に近医を受診し, 前立腺肥大症と診断された.内服治療を行うも改善しないため, 今回受診となった.所見では, 直腸診および排尿時経直腸的超音波検査(TRUS)で前立腺に異常なく, 前立腺肥大症も認められなかった.しかし, 尿流量検査で明らかな尿勢低下を, 残尿測定で病的残尿を認めた.特に残尿量測定時のTRUSで膀胱頸部に腫瘤像を認め, 膀胱鏡で膀胱頸部に1cmの有茎性腫瘤を認め膀胱腫瘍と診断した.更に排尿動態把握のためvoiding TRUSを行ったところ, 蓄尿時に膀胱内に突出していた腫瘍が排尿時に内尿道口部に嵌頓し, 排尿終了時にゆっくり膀胱内に戻る様子が観察でき, 排尿障害の原因腫瘍と確認, 経尿道的膀胱腫瘍切除術を施行した.病理組織所見には尿路上皮乳頭腫-内反型と診断され, 以後, 尿流量も残尿量も著明に改善, 術後8ヵ月経過現在, 腫瘍の再発は認められていない

収録刊行物

  • 泌尿器科紀要

    泌尿器科紀要 50 (11), 805-808, 2004-11

    泌尿器科紀要刊行会

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