慢性透析患者および副甲状腺全摘出術施行患者におけるWhole PTH assayおよび1-84/non 1-84 PTH ratioの有用性について

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  • Efficacy of whole PTH assay and 1-84/non-(1-84) PTH ratio in patients on hemodialysis or undergoing parathyroidectomy

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抄録

著者らは27名の健常者と138名の慢性透析患者を対象として, whole PTH(W-PTH), intact PTH(I-PTH), PTH ratio(PTH1-84とnon 1-84 PTHの比)を測定または算出し, 骨型ALP(BAP)やインタクトオステオカルシン(BGP-I)などの血中骨代謝マーカーと比較した.また, 2次性副甲状腺機能亢進症により副甲状腺全摘出術(PTx)を受けた10名の患者を対象として, 手術前後の各パラメーターの変化について検討し, W-PTH, PTH ratioの有用性を検討した.その結果, 1)健常者と透析患者の両群でW-PTHとI-PTHの間には非常に強い相関を認めた(p<0.001).また透析患者群では, ALP, BAP, BGP-IとW-PTHまたはI-PTHの間にそれぞれ有意な相関を認めたが, PTH ratioと各骨代謝マーカーとの間には相関を認めなかった.2)PTH ratioが1.0以上の患者群は1.0未満の群よりも, W-PTH, I-PTH, BAP, BGP-Iは有意に高値であったが, ratioが1.0以上の患者113名のうち51名はI-PTHが100pg/ml以下であった.PTH ratioはPTx施行後に施行前の値よりも増加する傾向を認めた.以上, これらのことからもW-PTH assayはI-PTH assayとほぼ同様に慢性透析患者における骨代謝の指標となると考えられた.しかしPTH ratioはカットオフ値が1.0の場合, 骨代謝回転の診断には限界があると思われた

収録刊行物

  • 泌尿器科紀要

    泌尿器科紀要 50 (11), 755-762, 2004-11-01

    泌尿器科紀要刊行会

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