後腹膜髄外性形質細胞腫の1例

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タイトル別名
  • A case of retroperitoneal extramedullary plasmacytoma

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抄録

69歳女.2002年3月より左側腹部鈍痛と食欲不振があり, 腹部CTで巨大後腹膜腫瘤が認められた.入院時, 心窩部から左上腹部にかけ弾性硬で可動性のない巨大腫瘤を触知した.CTで左腎上極から中部外方に最大径5cmの内部壊死を伴う腫瘍性病変を認めた.また, 左膀大動脈リンパ節腫脹が認められ, 腫瘍の転移が疑われた.画像所見から腎外に発育した左腎細胞癌を疑い, 手術を施行した.経胸腹的に腫瘍に到達したが, 腫瘍は腹腔動脈を巻き込んでおり, 摘出は不可能と判断し, 生検のみを施行した.悪性リンパ腫あるいは形質細胞腫が疑われた.diffuse large B cell lymphomaとしてCHOP療法を施行したが, 1コース終了後のCTでNCであった.そのため病理組織標本を詳細に再検討した結果, non-secretary typeの髄外性形質細胞腫と診断した.VAD(vincristine, adriamycin, dexamethasone)療法を3コース施行し, 腫瘍の著明な縮小を認め, 腹部症状も消失した.8月から計49Gyの放射線療法を追加し10月退院, 治療1年2ヵ月後の現在, 腫瘍の進行は認めない

収録刊行物

  • 泌尿器科紀要

    泌尿器科紀要 49 (12), 735-739, 2003-12

    泌尿器科紀要刊行会

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