肘窩における皮静脈と皮神経の走行関係:静脈穿刺技術のための基礎研究

  • 木森 佳子
    金沢大学大学院医学系研究科保健学専攻看護科学領域
  • 臺 美佐子
    金沢大学大学院医学系研究科保健学専攻看護科学領域
  • 須釜 淳子
    金沢大学大学院医学系研究科保健学専攻看護科学領域
  • 中谷 壽男
    金沢大学大学院医学系研究科保健学専攻看護科学領域

書誌事項

タイトル別名
  • Positional relationship between the superficial venous and cutaneous nerve distributions in the cubital fossa: Basic study for venous puncture techniques

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抄録

<p>肘窩の静脈穿刺で神経損傷を防ぐには、皮静脈と皮神経の走行位置関係を知り、どの皮静脈に、どのように穿刺するのが適切かを知ることが重要である。今回、御遺体24右上肢を用いて、肘窩の皮静脈と皮神経の走行位置関係を調べた。内・外側上顆を結ぶ線(肘窩線と呼ぶ)より近位では、内側前腕皮神経が尺側皮静脈の浅層を伴下行し、肘正中皮静脈の内側部位の浅層を交差するものがあった。外側前腕皮神経は橈側皮静脈の深層を伴下行していた。肘窩線より遠位では、内側・外側前腕皮神経は枝分かれし、尺側・橈側皮静脈の内外側を伴行していた。肘正中皮静脈の外側部位の浅層を交差する皮神経は少なかったが、上腕動脈がこの静脈に伴行するように腱膜の深層を走行していた。よって、静脈穿刺では肘窩線より遠位の静脈を対象とし、注射針の穿刺部位は、皮静脈の内外側からではなく、直上が適当で、かつ針が皮静脈を貫通しないようにすることが重要であると示唆された。</p>

収録刊行物

  • 形態・機能

    形態・機能 8 (2), 67-72, 2010

    コ・メディカル形態機能学会

被引用文献 (1)*注記

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