沖縄の風水集落景観に関する植生学的研究 : 多良間島を事例として

書誌事項

タイトル別名
  • A Vegetational Research on the Ryukyu Islands Feng Shui Village Landscape -A Case Study of Tarama Island
  • オキナワ ノ フウスイ シュウラク ケイカン ニ カンスル ショクセイガクテキ ケンキュウ タラマジマ オ ジレイ ト シテ

この論文をさがす

抄録

琉球の風水集落には、村抱護と呼ばれている林帯がある。この村抱護の林帯は、集落後方の森とともに、集落を取り囲むように造成されている。さらに各家屋を囲むように、フクギの屋敷林が植えられている。中国や他の東アジア地域の風水樹の使い方は象徴的であるのに比べ、沖縄の場合は、風水的欠落のある地域を補うため、植林の仕方が機能的に配置されている。沖縄は平坦な島々が多く、厳しい自然条件から島を守るため、独特な風水樹のレイアウト構造になっている。本研究では、多良間島を事例に、集落景観、村抱護、屋敷林及び腰当森(クサティムイ)の構造を明らかにした。村抱護の林帯の上層では、フクギとテリハボクが優占種になっている。集落北側の林帯は、自然林を修復する形で人工林が補植されている。抱護の下層植生には多くの種が見られ、植生の多様性を示している。これらの景観は冬の北風と台風時の東風を想定したレイアウトになっていて、東アジアの集落風水景観の中でも、より自然環境に適応した独特な島嶼型景観を形成している。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ