本邦における前立腺癌の治療動向 : 最近5年間における9施設の統計

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  • Trends in patterns of care for prostatic cancer in Japan: statistics of 9 institutions for 5 years

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抄録

9施設565例の初診時年齢は70歳代をピークとする分布を示した.来院時症状は排尿困難が72.2%と最も多く, 癌性疼痛を訴える例が13.6%あった.検査法では, アルカリ性ホスファターゼ, 前立腺生検, IVP, 骨シンチグラフィー, 尿道膀胱造影, 前立腺酸性ホスファターゼ, 酸性ホスファターゼなどが広く施行されていた.臨床病期では, A1 6.2%, A2 3.7%, B 14.9%, C 20.7%, D1 7.4%, D2 43.7%であり, 進行病期のものが多かった.組織学的分化度は, 高, 中, 低分化癌が, それぞれ20.4%, 33.3%, 32.7%であった.初診時年齢が低いほど, 分化度の低い癌がやや多くなる傾向がみられた.また進行病期のものほど, 低分化癌の占める割合が増加していた.治療として内分泌療法が多く行われ, 方法としてほぼ全例にホルモン剤が投与され, その約半数に除睾術が併用された.臨床病期や組織学的分化度を考慮し, 手術療法, 放射線療法, 化学療法や複数の治療を組み合わせた治療法もある程度は試みられていたが, 年齢による制約がみられた.臨床病期別実測5年生存率は, 病期A1 89.2%, A2 66.1%, B 72.7%, G 51.0%, D1 47.5%, D2 28.0%であった.D2において低分化癌の実測5年生存率は16.0%であり, 高中分化癌より悪かった

収録刊行物

  • 泌尿器科紀要

    泌尿器科紀要 34 (1), 123-129, 1988-01

    泌尿器科紀要刊行会

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