高度好熱性細菌Thermus thermophilus HB8由来アラニンラセマーゼの大腸菌での発現、精製及び諸性質の検討

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  • コウド コウネツセイ サイキン Thermus thermophilus HB8 ユライ アラニン ラセマーゼ ノ ダイチョウキン デノ ハツゲン セイセイ オヨビ ショセイシツ ノ ケントウ

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抄録

高度好熱性細菌Thermus thermophilus HB8由来アラニンラセマーゼ遺伝子を大腸菌中にクローニングし、発現させた後に、精製及び性質検討を行った。alr遺伝子は1080bpからなり360アミノ酸残基をコードしていたので、本酵素は38,596Daの分子量であると予想された。alr遺伝子の〔G+C〕含量は、72%であり、Tm値は98.8℃であった。T. thermophilus HB8由来アラニンラセマーゼを中等度好熱性細菌Geobacillus stearothermophilus及び赤痢菌Shigella sonnei由来のアラニンラセマーゼと一次配列の比較をしたところ、G. stearothermophilus由来のものと33%、赤痢菌由来の酵素と28%の相同性を示した。T. thermophilus HB8由来アラニンラセマーゼを、70℃で10分間の熱処理後、DEAE-トーヨーパール陰イオン交換カラム等により精製した。精製酵素の最適温度は、D-アラニンからL-アラニンヘの反応で55℃、L-アラニンからD-アラニンヘの反応では60℃であり、最適pHは、9.0〜10.0であった。また、70℃で30分インキュベートを行った後にも、活性の低下は見受けられず耐熱性を示した。更に、本酵素は分子量38,000のモノマー酵素であると推定され、その反応機構に興味が持たれる。

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