教科としての目標達成を目指す家庭科評価研究(第1報)―平成20年版学習指導要領に示された学校教育の理念と家庭科の位置づけ・問題点―

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  • Home economics evaluation research that aims at accomplishment of a goal as subject (1) : The idea of the academic training, and the location and problem of the Home Economics shown in 2008 version course of study

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抄録

本報は、平成18年10月に「高等学校必修科目未履修問題」をもたらした平成10年版学習指導要領に示された教育理念が、平成20年3月末に告示された新学習指導要領でどのように捉えなおされ、その中に家庭科がどのように位置づけられたのか。さらに、家庭科が学校教育の目的達成のために寄与するためには、どのような課題が存在するのか、という観点から、文部科学省の新学習指導要領関係の資料を分析した。その結果、①新学習指導要領では、平成10年版学習指導要領の教育理念[生きる力]を踏襲して教育課程・内容の改訂が図られていた。その中に、②小・中学校の家庭科は、従前どおり「教科」として位置づけられ、②[生きる力]を構成する「豊かな人間性」「健やかな体」をはぐくむための教科として、家庭科学習指導要領の目標・内容が示されていた。しかし、④中学校家庭科では、保育学習と被服学習の目的を学ぶ内容が欠落しているため、⑤教科として目指すべき他教科では代替できない「家庭生活を営む力の育成」と「人格形成」が達成できないという問題が理論的に明らかになった。その課題を解決するため、本継続研究では、岡山大学附属中学校で取り組まれている保育学習と被服学習の目的を学ぶための授業開発研究を踏襲し、その学習がどのように「人格形成」に結びつくのかを心理測定尺度の適用により検討する評価研究を試みる。

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